北京ダック(北京烤鴨、ペキンダック)は、中国の北京を代表する伝統的な宮廷料理です。特徴は、特別なアヒルを丸ごと焼き上げ、飴色に輝くパリパリとした皮と、ジューシーな肉にあります。
特徴と歴史
北京ダックの歴史は南北朝時代にまで遡り、明代に宮廷料理として確立されました。調理法には主に2つの流派があります:
- 掛炉(かけろ)式: 全聚徳(ぜんしゅとく)に代表される方法で、果樹などの薪(まき)を使って炉で直接焼き上げます。香ばしい香りが特徴です。
- 燜炉(まど)式: 便宜坊(びえんいぼう)に代表される方法で、炉を密閉して余熱でじっくりと蒸し焼きにします。
伝統的な食べ方
一般的に、北京ダックは薄くスライスした皮や肉を、以下の付け合わせとともに楽しみます。
- 薄餅(バオビン/ハオピン)で包む: 小麦粉で作った薄いクレープ状の皮に、そぎ切りにしたアヒル、甜麺醤(テンメンジャン)という甘味噌だれ、ネギやキュウリの細切りを乗せて巻いて食べます。
- 他の食べ方: 皮だけ、皮付き肉、肉だけなど、切り方によって異なる食感や風味を味わう方法もあります。本場北京では、皮だけでなく肉も一緒に厚めにカットするのが一般的になってきています。